産前(10カ月)から産後(1年)まで約2年間。今までの生活習慣とは大きく異なる動作が増えて身体に負担をかけるだけでなく、安静にする期間も長いため筋力の低下を避けることはできません。お子様の体重は次第に増加し、産後の身体により大きな負担を与えます。『日常生活を送っていれば筋力なんて勝手に戻るから大丈夫』なんて思っていないでしょうか?

Ⅰ. 産後はギックリ腰になるリスクが高い

腹筋などの骨盤周りの筋肉や骨盤底筋の筋力低下が起きると骨盤を支持できなくなるため、歪みが起こりやすくなり腰椎に強い負担がかかりやすくなります。このような状態を放ったまま育児を続けているとギックリ腰になるリスクが高まります。ギックリ腰の中でも慢性型のヘルニアや脊椎間狭窄になってしまうと治癒が非常に難しくなるため、早期に御自身の身体を整えておくことをオススメしております。

Ⅱ. 産前産後の生活と腰の負担について

お子様がお腹の中にいる時、その重さにより骨盤は前傾しています。出産後も抱っこや添い寝、赤ちゃんと近い目線でのコミュニケーションを取る中腰姿勢が多いため骨盤を前傾方向へもっていく力が働き続けます。産前産後は筋力も衰えているため、関節部分への負担は通常よりも大きくなります。特に腰の下部(L4,L5)をに圧迫をかけるような負担が続くと、ぎっくり腰のリスクが非常に高まります。

Ⅲ. 骨盤の歪みが引き起こす他の症状について

身体の土台でもある骨盤が不安定な状態だと、背骨にかかる負担が大きくなり首や背中の痛みに繋がることがあります。寝ている時も起きている時も、育児でかかる上半身への負担は計り知れないため、肩こりや背部の痛み、寝違えのような症状は出現しやすくなります。マッサージをすれば一時的にはラクになりますが負担がかかれば当然元の辛さに戻ってしまいます。骨盤を整えながらケアしていくことで、正しい姿勢・自分にとって身体の負担が少ない姿勢が分かるようになるため、先ほど述べたような症状の改善を図ることが可能です。

Ⅳ. 骨盤底筋の筋力低下について

骨盤底筋は内臓を支える機能も果たしています。そのため、筋力が低下すると子宮や腸などに影響を与えることもあります。浅層にある尿道括約筋の機能も低下するため、くしゃみやちょっとした動きで尿漏れしてしまうと悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。当院では骨盤底筋専用の筋力強化法の指導やEMS(電気治療器)などによって尿漏れの症状を早期改善に導くように努めております。

Ⅴ. ずばり産後骨盤矯正とは?

ここまでお読み頂ければ分かって頂けたかと思いますが、ズバリ産後骨盤矯正はやった方が良いと言うことです。セルフで勉強してやることも勿論不可能ではないですが…産後を体験した方なら勉強しながら育児の大変さは分かるはずです。子育て中筋力が弱っているため骨格骨盤を支持しずらいという点、赤ちゃん中心の生活になるため姿勢や骨盤が前傾しやすいという点から産後骨盤矯正を出産後早期(2か月以降が理想)に受けた方がお身体の負担は確実に減ります。リラキシン(靭帯をゆるめ関節に動きを出やすくする)というホルモンが産前から産後6~7か月までは分泌されていることから、半年以内に受けた方が良いと言われています。骨盤矯正を行うだけでなく、産後に弱った骨盤周りの筋肉の強化と柔軟性作りに取り組むことが、今の自分・将来の自分にとって重要と言えます。当院では産後ケアの資格を持ったヨガトレーナーの指導を受けながら骨盤矯正に通うことも可能です。ママトレーナーのMANA先生は、産後のちょっとしたお身体の悩み相談に乗ってくれるのは勿論、自宅でのトレーニング方法もアドバイスしてくれるので安心して通っていただけます。